獲った鹿を軽トラに積むとき、いつも少しためらっていました。
血がにじみ、毛が抜け、泥もついている。罠の道具も長靴も、山から戻るころにはどれも汚れています。荷台に直接置けば、そのまま荷台が汚れる。シートを敷いても、端から漏れたり、ずれたりして、結局あとで荷台ごと掃除することになっていました。
いまは、軽トラの荷台にトロ舟を1つ載せてあります。汚れたものは、何も考えずにその中へ放り込むだけです。獲物も道具も、気をつかわずにバコバコ積めるようになりました。しかも解体まで、その舟の中でやっています。
結論:「汚れを受け止める器」が荷台に1つあればよかった
困っていたのは、汚れそのものではありませんでした。汚れたものを置ける場所がないことでした。
トロ舟は、もともとセメントやモルタルを練るための左官道具です。縁が立ち上がっていて、中で水も泥もこぼれません。汚れを舟の中に閉じ込めておけば、荷台は汚れない。終わったら舟だけ洗えばいい。探していたのはこれでした。
1. 運ぶ:汚れたものを、ためらわずに積める
舟を荷台に載せておくと、積み方が変わります。
- 獲物……血や毛が出ても、舟の中にとどまります
- 罠や道具……泥のついたワイヤーやスコップも、そのまま入れられます
- 長靴や雨具……濡れていても、荷台を濡らしません
前は「これは汚れているから、どこに置こうか」といちいち考えていました。いまは考えません。全部舟に入れる。この「考えなくていい」が、思っていたよりずっと楽でした。
2. 解体する:地面に直接置かずに済む
私がいちばん効いたと思っているのは、ここです。舟の中で解体すると、比較的衛生的に作業できます。
地面で解体すると、どうしても土や落ち葉、砂が肉に触れます。鹿肉が臭いのは肉のせいじゃないに書いたとおり、山での扱いはそのまま味に出ます。舟の中なら、少なくとも地面のものが直接つくことはありません。
もうひとつは、血や水が舟の中にとどまることです。周りに広がらないので、作業する場所も自分の足元も汚れにくい。終わったら舟ごと水で流して、また荷台に戻します。
ただ、舟の中だから清潔、というわけではありません。舟そのものを洗っておくこと、ナイフと手を清潔に保つことは、地面でやるときと変わりません。「比較的」と書いたのは、そういう意味です。
3. 使っているもの

写真はホームセンターで買った帰りに、自家用車に載せたときのものです。ふだんは軽トラの荷台に載せています。
リス プラ舟 140(136L・R-140)
軽トラの荷台に載せっぱなしにして、獲物も泥のついた道具も放り込んでいる。解体もこの中でやるので、地面のものが肉につかない。終わったら舟ごと水で流すだけ。
私が使っているのは140サイズです。メーカーの表記では、容量136リットル、外寸がおよそ123×77cm、深さ約20cm、重さ6.5kg。素材は耐衝撃性のポリプロピレンで、プロの現場で使う前提の強さがあります。
4. 買う前に確かめてほしいこと
- 載せる場所に入るか、先に測る。140サイズは外寸で1m20cmを超えます。私は軽トラの荷台に載せていますが、乗用車やバンの荷室では入らないこともあります。床の幅と奥行きを測ってから選んでください
- 空でも6.5kgある。軽くはありません。積みっぱなしにする前提なら気になりませんが、毎回出し入れするなら、ひと回り小さいサイズも考えていいと思います
- 中身を入れたまま、舟ごと持ち上げない。獲物の入った舟は1人では持てません。積むときは舟を先に置いて、そこへ獲物を入れる順番にしています
まとめ
- 困っていたのは汚れではなく、汚れたものの置き場所だった。トロ舟を軽トラの荷台に載せたら、それが決まった
- 運ぶ:獲物も道具も長靴も、何も考えずに放り込める
- 解体する:地面のものが肉につかず、血も舟の中にとどまる。終わったら舟ごと流すだけ
山から戻って、汚れたものを全部舟に入れて、そのまま走り出す。軽トラを汚すことを考えずに猟ができるようになりました。
車に戻ったあと手を洗う話は山に水道はないに、解体で使う刃物は鹿の解体、ナイフは何本要るのかに書いています。
注意していただきたいこと
- 本記事は運営者個人の使用記録であり、製品の性能を保証するものではありません。用途・使い方は製品の表示に従ってください
- 狩猟は、狩猟免許および狩猟者登録を受けたうえで、鳥獣保護管理法その他の関係法令および各都道府県の定めるルールの範囲内で行ってください
- 刃物の携帯については、銃刀法および軽犯罪法の定めに従ってください
- 捕獲した個体を食用にする場合は、食品衛生法その他の関係法令に従ってください。食肉として販売するには、食品衛生法に基づく食肉処理業の許可が必要です
- 解体で出た残さは、各自治体のルールに従って適切に処理してください




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