くくり罠を自作し始めたころ、電動ドリルは安いものでいいと思っていました。
穴を開けるだけの道具です。たまにしか使わないし、高いものを買うほどでもない。そう考えて、ネットで見つけた安い中華製のドリルを買いました。
結果は、金属に刃が入りませんでした。押し付けても表面を撫でるだけで、穴にならない。罠の部材を前にして、作業がそこで止まりました。道具のせいで罠が作れないのが、いちばん腹の立つ止まり方です。
いまはHiKOKI(ハイコーキ)の18Vドリルを使っています。金属に穴を開ける工程で、手が止まることがなくなりました。しかも同じ電池で回るグラインダーを足したので、罠づくりの「穴を開ける」と「溝を入れる」が電池ひとつで回っています。
結論:罠を自作するなら、ドリルは「金属に刃が入るか」だけで選ぶ
罠の自作でドリルに求めることは、ほぼ1つです。金属に穴が開くかどうか。木や塩ビに穴を開けるだけなら、安いものでも何とかなります。でも罠づくりには、金属に穴を開ける場面が必ず来ます。そこで止まるドリルは、罠づくりの道具としては役に立ちません。
私が安いドリルで学んだのは、「安いほうで様子を見る」が一番高くつくということでした。使い物にならなかった1台ぶん、まるごと無駄になっています。
安い中華製ドリルで、何が起きたか
起きたことは単純で、パワーが足りず、金属に刃が食い込まない。それだけです。
ただ、それだけで罠づくりは止まります。穴が開かなければ部品が組めない。組めなければ罠が増えない。猟期前に数を揃えたい時期ほど、この足止めが効いてきます。
買う前は、ドリルの差なんてそこまで無いだろうと思っていました。差が出るのは、まさに硬いものに当てたときで、罠づくりはその「硬いもの」に当てる作業でした。
HiKOKIの18Vドリルに替えて変わったこと
替えて最初に思ったのは、「穴を開けるのって、こんなに普通の作業だったのか」でした。
金属に当てても、ちゃんと刃が入っていく。十分なパワーがあります。穴あけが「止まるかもしれない工程」から「ただの1工程」に変わったので、罠を作る日の段取りが読めるようになりました。

HiKOKI(旧・日立工機)は、プロの現場でも使われている電動工具のメーカーです。その信頼の割に、値段が安い。私が選んだ理由はほぼそこです。
HiKOKI(ハイコーキ) 18V コードレス ドライバドリル FDS18DA(BG)
安い中華製では刃が入らなかった金属に、ちゃんと穴が開く。罠づくりの穴あけで手が止まらなくなった。鹿の頭骨を標本にするときの穴もこれで開けている。
同じ電池で回るグラインダーを足した
罠づくりには、穴を開けるほかに踏み板のアーム部分に溝を入れる工程もあります。この溝にワイヤーを引っ掛けます。溝がないと、ワイヤーがうまく締まりません。罠が掛かるかどうかに直結する工程です。
そのために買ったのが、HiKOKIの18V電池がそのまま使えるグラインダーです。

グラインダー自体はHiKOKI製ではなく、アルチザンツールという別メーカーのものです。HiKOKIの18V電池を挿すための変換アダプターが付いていて、ドリルの電池を差し替えて使っています。
電池と充電器を1組で回せるので、工具を1台足しても、管理するものが増えません。「穴を開ける」と「溝を入れる」が同じ電池で済むのは、思っていた以上に楽でした。
私はドリルに付いてきた2.0Ahの電池で、普通に回っています。ただ販売ページでは、BSL1860などの大容量の電池を推奨しています。電池や作業の負荷によっては動かない場合がある、とも書かれているので、買う前に対応する電池を確認してください。
アルチザンツール 充電式グラインダー ATGR01B-H(HiKOKI 18V電池対応アダプター付き・本体のみ)
踏み板のアームに、ワイヤーを引っ掛ける溝を入れるために買った。ドリルの電池を差し替えて回している。工具が増えても電池と充電器は1組のまま。
猟師ならではの使い道:鹿の頭骨を壁掛けの標本にする
ドリルは罠づくりだけで終わりませんでした。鹿の頭蓋骨を壁掛けの標本にするときにも使っています。
頭骨を壁に掛けるには、固定するための穴が要ります。骨は思っている以上に硬い。ここでもパワーのあるドリルだと、穴あけで苦労しません。
獲った鹿を肉だけで終わらせず、頭骨を残しておけるのは、自分で獲っている人間ならではの楽しみです。罠のために買ったドリルが、そこまで面倒を見てくれています。
まとめ
- 罠を自作するなら、ドリルは「金属に刃が入るか」で選ぶ。安い中華製では入らなかった
- HiKOKIは、信頼の割に値段が安い。18Vのドライバドリルで、罠づくりの金属の穴あけは足りている
- 電池をそろえると、工具を足しても管理が増えない。グラインダーもドリルの電池で回している
穴あけで止まらなくなってから、罠を作る日は「何本作るか」だけを考えればよくなりました。道具で迷う時間がなくなったぶん、猟期前の準備は山のことに使えています(→ わな猟を始める人の買うものリスト)。
注意していただきたいこと
- 狩猟には狩猟免許と、猟をする都道府県ごとの狩猟者登録が必要です。鳥獣保護管理法および各都道府県の定めるルールの範囲内で行ってください(→ わな猟の始め方)
- くくり罠の構造の基準(輪の直径・締め付け防止金具・より戻し・ワイヤー径)は、対象とする獣と地域によって異なります。自作する場合も基準を満たし、法定の標識を装着してください
- 電動工具・グラインダーは、取扱説明書に従い、保護メガネ・手袋などの保護具を着けて使ってください。対応しない電池の使用はメーカーの保証外となる場合があります
- 本記事は運営者個人の使用記録であり、特定の方法や道具を推奨・保証するものではありません

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