罠を掛けたい場所が決まって、掘りはじめる。すぐにスコップが止まります。
土が固い。掘っても石に当たる。けもの道がどこを通るかは獣が決めるので、足元の土は選べません。元から固い土の上にも、石まじりの斜面にも、道は平気で付いています。掘れないから、少し横の柔らかいところへずらしたくなる。
でも、ずらした分だけ罠は掛かりにくくなります。踏ませたいのは「通るしかない一点」で、その隣ではないからです。
私がいま穴掘りに使っているのは、片手で振るピッケル1本です。固い土は振りかぶって掘れるし、石に当たったら砕けばいい。土の固さで場所を妥協しなくて済むようになりました。
結論:穴掘りの道具は「振りかぶれるか」で選ぶ
- 罠は「通るしかない一点」に掛ける。土が固いからと横へずらさない
- 固い土は、すくう前に振り下ろして崩す。崩すのはピッケル、すくい出すのは園芸用スコップ
- ピッケルは道具ごとの差が小さい。高いものでなくていい
1. 罠の穴は「掘りやすい場所」ではなく「通る場所」に掘る
くくり罠でいちばん効くのは、けもの道の中で狭くなっている所に掛けることです。倒木と藪にはさまれている、斜面で足を置ける場所が限られている。獣の選択肢が少ないほど、踏む確率が上がります(→ くくり罠がかからない)。
ところが、獣は土の具合を見て道を選んでくれません。その一点が、元から固い土だったり、石や根が混じる斜面だったりします。
ここで掘る道具が弱いと、掘れる場所に罠を合わせることになります。道具に合わせて場所を選んだ時点で、さっきの「一点」は崩れています。
2. ピッケルが効くところ:固い土と石
固い土は、振りかぶって掘る
スコップも使っています。園芸用の小さいもので、足で踏み込む型ではありません。柔らかい土をすくうなら、これで足ります。
ただ、元から固い土には、手で押すスコップでは刃が立ちません。そこでピッケルです。振り下ろした重さで先端が刺さるので、固い土でも少しずつ崩していけます。
ピッケルで崩して、スコップですくい出す。これを繰り返すだけで穴ができます。
石に当たったら、砕く
掘っていて石に当たったとき、ピッケルの先で叩けば砕けます。動かせる石なら先端を引っかけて起こせる。石が出たからと場所を変えずに済みます。
3. 深めに掘れると、掛かり方が変わる
穴は深めに掘っています。浅く据えると、踏まれたときに逃げが出て、作動しても足をとらえきれないことがあるからです。
固い場所だと、ここで手を抜きたくなります。浅く済ませて、上を落ち葉でごまかしたくなる。ピッケルがあれば、固い場所でも必要な深さまで下ろせます。
掘った土は周りに残さず、元の落ち葉を戻して周りと同じ顔にします。掘った跡が残っていると、獣はそこだけよけて歩くからです。深く掘れて、跡を消せて、やっと場所選びが活きます。
4. ピッケルは高いものでなくていい
私が使っているのは、罠を始めたばかりで何も分からなかったころに、ホームセンターで買った1本です。選んで買ったわけではありません。
それでも困ったことはありません。ピッケルは、先が尖っていて、振れる重さがあって、柄が折れなければ仕事になる道具で、ナイフのように鋼材や研ぎで差がつくものではないからです。お金をかけるなら、罠の部材や刃物のほうに回したほうがいいと思っています。
同じ物は手に入らないので、同じ片手のピック型で、手に入りやすいこれを置いておきます。
高儀(Takagi) 儀助 片手鍬 ピックマトック
私が使っているのは、始めたころにホームセンターで買った別の1本です。ピッケルは道具ごとの差が小さいので、同じ片手のピック型で手に入りやすいこれを置いています。園芸用スコップで歯が立たない固い土は、これで振りかぶって崩してから、スコップですくい出す。石に当たったら叩いて砕く。土の固さで罠の場所をずらさなくて済むようになった。
振り下ろす道具なので、足元と周りを先に見てください。足を開いて、振り下ろす先に自分の足や手を置かない。人が近くにいるときは振らない。柄のぐらつきや頭の抜けは使う前に確かめてください。
まとめ
- 罠は「通るしかない一点」に掛ける。獣は土の具合で道を選んでくれない
- 固い土と石は、ピッケルで振りかぶって崩す。すくい出すのは園芸用スコップで足りる
- ピッケルは高くなくていい。先が尖っていて、振れて、柄が折れなければ仕事になる
ピッケルを持ってから、「ここは掘れないから」で場所を変えることがなくなりました。罠を掛ける場所を決めるのは、地面の固さではなく獣の通り方。その順番を守れるようになったのが、いちばんの変化です。
注意していただきたいこと
- わなの使用にはわな猟免許と狩猟者登録が必要です。鳥獣保護管理法および各都道府県の定めるルールの範囲内で行ってください
- くくり罠の構造の基準(輪の直径・締め付け防止金具・より戻し・ワイヤー径)は、対象とする獣と地域によって異なります。登録した都道府県の最新の定めを必ず確認してください
- わなには法定の標識の装着が必要です。わなの見回りの頻度は、各都道府県の指導に従ってください
- 罠を掛ける土地は、土地の所有者・管理者の承諾を得てください。鳥獣保護区など、わなを使えない区域には掛けられません
- 目的以外の動物が掛かった(錯誤捕獲)ときは、自分で対処せず、速やかに自治体の担当窓口へ連絡してください
- 本記事は運営者個人の使用記録であり、特定の方法や道具を推奨・保証するものではありません




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